上野の上条に、不思議なサクラがあります。「上条のサクラ」、上条の宿り木とも呼ばれ、昭和43年7月2日に静岡県指定の天然記念物に指定されています。指定年月日当時で、樹高10メートル、目通り4.6メートル、樹齢300年以上です。
銘版の文言
ヤマザクラの老樹で、ウラジロガシ、イヌツゲが宿木状に着生し、樹肌には摩滅だ、ノキシノブ、ヒサカキ等が着生している。サクラ本幹の樹勢に衰えが見られるが、枝幹の勢いは旺盛である。開花時期は四月上旬から中旬で、満開時には四方に芳香を漂わす。
上条のサクラ 銘版より引用
悠久の歴史を感じる、独特な雰囲気の場所です。シーズンになると美しい風景を見せてくれそうですが、シャッターチャンスを逃しました。
PHOTOGRAGH.PROさんの「上条のサクラ紀行」より一枚写真を引用、お借りしました。色づいたサクラ部分と、着生している宿り木のグリーンとのコントラストがまた、美しいですね。
上条のサクラ、宿り木の場所は車でのアクセスにはまったくもって向いておりません。地図にランドマークも無く、セブンイレブン富士宮下条店の前の国道469号線を西に進み、上野中学校北側の変則交差点を道なりに右に入って県道75号線を北上した右手にありますが、駐車場もありません。近所の知人宅、または少し離れた上野会館駐車場に駐車するくらいしか無いでしょう。筆者は上野の自宅から徒歩にて到達しています。そして、徒歩であっても、近隣の家の敷地または、田んぼのあぜ道(コンクリート製)を通らないとアクセスできないので、住民や農家さんへのご挨拶を大切にしつつ、また、足を踏み外さないよう十分注意して下さい。
そんな場所なので、静岡県の公式の情報ページには
近くに車をとめておく場所なし。木のそばまで行く道がないため、道路沿いからの見学となる。
静岡県サイトより http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-080/sakura/meisyo/joho_kamijounosakura.html
とあるのだが、写真にある通り、案内銘版は上条のサクラの真下に設置されているため「じゃあ、誰が読むのか」というのは最大の突っ込みどころである。