上野は、どちらかというと観光地という印象は少なく、生活地域+農業を軸としつつも、大きな寺社の影響によって他地域とは異なる地域性格・特徴を持っていると考えられます。

大石寺と観光

日蓮正宗大石寺は、観光寺ではなく、あくまで信徒向けの寺という方針が基本です。例えば京都や奈良の仏閣のように、寺院が様々な観光客を自由に受け入れるような体制でありません。

境内は特別な行事の時以外は自由に散策できますが、施設内への入場は信徒や信徒と同伴に限られるなど、制限があります。

とはいえ、登山客(参拝客)は年間相当数おり、大石寺売店はそれなりの人で賑わっています。また、登山客の影響もあり、上野エリアにあるセブンイレブンは静岡県内屈指の売上を誇ると言われています。

上野の様子・風景

上野地域は農業を中心とした、自然風景が豊かな風光明媚な環境です。富士山世界文化遺産登録もあって、観光的な視野も含めた地域づくりについて、有志がいろいろ試行錯誤しながら活動を行っています。

とはいえ、観光等集客を前提とした地域づくりはしていなかったこともあり、冒頭に記した通り、地域住民の生活環境+農業が基本となっています。

地域のイベントもありますが、地区の行事としてはフェスタ上野(上野夏まつり)や福祉バザー等で、主に地域住民向けの内容になっています。

夏には寛師会(かんしえ)と呼ばれる大石寺の行事があり、奉納相撲や花火大会なども開催されています。(コロナの影響で中断等はあり)

観光・地域発信に向けた取り組み

外部発信の面では、南条の里づくりを行う有志が、新たな名産づくりや、修景整備などを行っています。常葉大学との連携で豆腐等地場の産業を生かした商品開発やイベントも開催されています。

また、上野の里まつり酒蔵めぐり実行委員会が2010年から結成され、上野の2つの酒蔵と牧場のまつりの3拠点を巡る散策型酒蔵開きイベントを企画し、市内外から集客を図っており、コロナ前で一日でのべ6000人を超える来場者があり、一大イベントとなっています。

上野地区の道路・都市整備

上野地区には国道469号線が通っています。上野から東、御殿場までの道は近年大きく整備され、便利なアクセス道路となっています。一方、西の方は険しい峠や狭あい道路を抜けて山梨に出る難所となっており、上野ガイド的には、国道469号線の夢のトンネル構想を勝手に提案したいと思っています。

2023年には、長年の課題だった県道富士宮白糸線、通称上野バイパスが開通しました。しかし、旧通りの方が未だメイン道路の位置付は変わらず、むしろこのバイパス開通により新たな、非常に派手な交通事故も頻発するようになり、今後の大きな課題です。

市道、農道、林道は当然に多く、整備されている箇所は問題ありませんが、農道・林道では痛みも顕著だったり、木々の伐採などメンテナンスが追いついていない箇所も多くあります。